★【新宿歌舞伎町ライブにお越し頂いた皆様】★
ありがとうございました。楽しい一夜でした(^^♪
しかし3時間でもまだまだ時間が足りなかった…(笑&泣)
『音楽トークライヴ』 パート2、パート3、鋭意企画中。またお会いしましょう。
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(左:ソウル・ミュージックの大家=吉岡正晴さん @soulsearcher216
右:伝説のミキサーDJ &ラーメン企画人=OSAさん @OsamuShimizu )

★【マイケル・ジャクソン年末年始ラジオ特番のお知らせ】★
2019年12月28日~2020年1月5日の間、ニッポン放送系列の全国14局ネットで『KING OF POP: マイケル・ジャクソンの挑戦』がオンエア。 1時間SPのメイン・ホストはソウル音楽のベテラン評論家の吉岡正晴さん。『マイケルと長時間インタビューした日本人ジャーナリスト』として僕も出演します。
全国のオンエア予定は下記の通り:
山陽放送 2019年12月28日(土)15:00-16:00
福井放送 12月30日(月)15:00-16:00
山形放送 12月30日(月)13:00-14:00
秋田放送 12月30日(月)19:00-20:00
琉球放送 12月31日(火)20:00-21:00
北日本放送 2020年1月1日(水)11:00-12:00
新潟放送 1月1日(水)15:00-16:00
信越放送 前編:1月1日(水)17:45-18:15 
後編:1月2日(木)17:45-18:15
北海道放送 1月1日(水)20:00-21:00
毎日放送 1月2日(木)11:30-12:30
山梨放送 前編:1月2日(木)16:00-16:30 
後編:1月3日(金)16:00-16:30
静岡放送 前編:1月2日(木)16:00-16:30 
後編:1月3日(金)16:00-16:30
四国放送 1月3日(金)15:10-16:10
高知放送 1月5日(日)12:00-13:00

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REVIEWS

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先日出かけた先でその辺にあったカフェに適当にぶらりと入り、ホット・ラテを注文して待っていたら、店内のBGMが気になった。ほとんどが一昔、ふた昔以上前の曲ばかりだったからだ。おまけに自分がそこにいた40分ぐらいの範囲では、洋楽と邦楽がほぼ交互に流されていた。その洒落たBGMの存在に気がついたのは1曲分ぐらいは過ぎてからのことで、ちょうどXTCの1989年のヒット曲<KING FOR A DAY>のあとに竹内まりやの古い曲のイントロがかかったときだった。まだラテは来ていなかった。

それは1979年発売のセカンド・アルバム『ユニバーシティー・ストリート』に入っていた<ブルー・ホライズン>で、びっくりして思わず「あっ!」と言ってしまった。わざわざ自分でかけない限り、当時はともかく、今このアルバム曲を外出先で耳にすることはまず100%ない。<ブルー・ホライズン>の響きは、発売当時と変わっていなかった。古臭くなっていないということではなく、「この曲と聴き手とを結んでいた距離感の響き」のことである。

<ブルー・ホライズン>のサウンドと歌には、当時から何かはっきりしない不明確な色彩感が、クリアに説明しづらいある種の不思議な響きや奥行きと陰影が備わっていた。聴いているこちら側のみならず、作り手である竹内まりや自身にも制作スタッフ陣にもその音楽の何たるかを ――、<ブルー・ホライズン>という楽曲の中身や正体を他の曲のようにきっちりと定かには掴んでいない、今にも掴めそうでいながらも完全には掴めぬままに世に送り出していった ――、そんな感じが曲の外観全体に、ぼんやりとオーラのように漂っていたのだ。

『ユニバーシティー・ストリート』を通して聴くと当時それがよく分かった。あるいはとにかく、15歳の自分自身には納得がいった。このアルバムの収録曲の大半はいま聴くと音がスカスカで、いかにも時が経ったなあと思わせるし、<ブルー・ホライズン>もそれなりにもちろん古くはある。しかし多分、他の曲とは違う具合に古いのだ。

この音楽は、そのアレンジが素晴らしいとか今聞いても新鮮で逆に新しいとかでなく「竹内まりやの音楽という時間の枠外で鳴っていた音楽」であるかのようにその時から聴こえていた ――、その枠外で当時鳴り、その後も長く枠外で鳴っていくことが自らの大切な使命なのだと、その楽曲自身が秘かに自認していた音楽であるかのように、一番最初からずっとそう聴こえていたのだ。まるで何かの予言のように。

名前も知らない静かなカフェ (実際には「シャトール」という名前) が、その<ブルー・ホライズン>の個人的ミステリーを解き明かす機会を思わぬ時に、思わぬ形で提供してくれた。「ブルー・ホライズン / おやすみなさい / 自然は眠りに落ちる」「だけど私を / もう少しだけ遊ばせておいて / このままで」。その年慶応大学を卒業し損ねた23歳の竹内まりやの、現在の彼女よりも低く太い声にはたくさんのものが欠けているが、1つだけ今現在の彼女の声にはないものがあった:翳りである。

<ブルー・ホライズン>の境界線内ではその翳りは、たそがれを、自問自答を意味する。この曲は地平線・水平線越しにたどった自分の影、今現在の自分の有り様に歌って聴かせるソウル・ララバイなのだ。「いちばん好きな / あなたらしさを / 今まで / 忘れていたみたい」。タウンスケイプ ―― 街の風景、都市の景色。曲の真ん中でコーラスの吉田美奈子がそっとささやく歌詞カードには印刷されていないその文句が、<ブルー・ホライズン>の不可思議を解く秘密のキーワードかもしれない。どんな都市の、どんな街の、どんなタウンスケイプも、すべてみな「同じ1つのホライズン」によって支えられているからだ。

そしてそれを言うなら、カフェで流れていた<ブルー・ホライズン>は、そんなタウンスケイプの中にある、もう1つの「ソングスケイプ=歌がもたらす原風景」であるかのように感じられた。近年の竹内まりやが次から次へと繰り出すヒット曲群とは違う景色を抱えた、黄昏の、枠外のソングスケイプである。「同じように / 見上げてくれたら / どんな遠く / 離れたとしても / 違う愛で / 結ばれてるから 」。

<ブルー・ホライズン>が終わり、次の曲はマイケル・ジャクソンの<ROCK WITH YOU>だった。誰もが知っている奇しくも同じ年1979年のメガ・ヒットだ。「お待たせしました。こちらホット・ラテになります」。

翳りの竹内まりやが最後の一言を歌い終えたあとに、左チャンネルからオーともアーとも言えない、のちの夫、山下達郎の短く美しいスキャットが聴こえる。その瞬間を聴くのが好きで、発売時の夏には何度もリピートしたものだったが、やっと来たホット・ラテを飲みながら頭の中で急いで巻き戻した<ブルー・ホライズン>は、そのスキャットが40年もの間ずっと一体何を意味していたのかを、その時初めて教えてくれた。それは地平線と水平線越しにたどった自分の影からの、言葉のない返事・伝令だったのだ : 半生の影からの返事 ―― ほんの数分前にたどったばかりの影からの。ほんの40年を軽く跨いだだけの、「40年どころか4分にすら届かない、単なる小さきポップ・ソング」からの。

中野利樹 (TOSH NAKANO)🍀

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