アレンジ&プロデュース担当の小林武史。この曲全篇における彼の編曲の見事さと天才と非凡は、ハープと鉄琴のアンティーク会話を生んだだけでなく、4年後のミスチル<Tomorrow Never Knows>の忘れがたいイントロの鉄琴へと引き継がれてもいく。必要最小限。かつ必要最大限。なぜこんな事が出来たのだろう。すべてはここから、「<真夏の果実>の18秒」から始まったのだ。
(⇒ https://bit.ly/2EgniQn ミスチル<Tomorrow Never Knows>の評論ページはこちら)
「最良の歌詞、最高の言葉っていうのは、愛ある沈黙だ。喋りたいのに喋れない。歌いたいのに歌えないんだよ。嗚咽でね」。桑田佳祐が愛し、憧れ、影響を受けた米国のバンド Little Feat (=ちっぽけな偉業) のリーダー、故ローウェル・ジョージの一言だ。<真夏の果実>のサビに、その「愛ある沈黙」が生じる。